戸建賃貸業、はじめの1歩!
失敗しない知識と方法を身につけよう!
戸建賃貸業

出口を考える時はいつ?売却のタイミングをさぐる【5年を目安に!】

不動産賃貸業は、貸している間の家賃で利益を上げると考えている人が多いですね。

もちろんそれは合っていますが、もう一つ大事な要素があります。

そう、土地と建物を売却したときのお金です。

事業として不動産を貸していく上では、机上でも利益の計算をしていかなくてはなりません。

とりあえず5年後を考えるのがおすすめ

なぜかというと、「売却益に対する税金が少なくなるから」です。

売却で利益を得た場合・・・購入金額よりも売却金額が上回った場合、その差額(譲渡所得といいます)に対して税金がかかります。

短期で売買した場合、この譲渡所得にかかる税率が約40%もかかるのです・・・!

ちなみに長期と判断された場合は、約20%の税率となります。

建物の減価償却も考えると、譲渡所得が残るケースは結構ありますね

正確には、「物件を買ってから5回お正月を迎えたら」が正確な表現です。

長期譲渡所得と短期譲渡所得の区分

土地や建物を売ったときの譲渡所得は、次のとおり所有期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得の2つに区分し、税金の計算も別々に行います。

長期譲渡所得とは譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるものをいいます。

短期譲渡所得とは譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下のものをいいます。

引用:国税庁HP

例えば、2024年の12月に購入した場合は、2030年になれば5年経過とみなされます。

2024年の1月に購入した人は、2029年の1月に売却すると短期譲渡になってしまうのです。

つまり、この点だけに注目すれば年初に買うよりも年末に買った方が有利なのです。

だからと言って年末に無理して買っちゃだめですよ!あくまで物件の価値で見極める!

一つの区切りとして、5年後にどうなるか・5年後どうするかを考えておくのをお勧めします。

入居中に売るか、空室になってから売るか?

戸建の入居期間平均は4〜6年とされていて、5年後には退去の時期と重なる場合があります。

入居中に売るか、退去後に売るかも判断しなくてはなりません。

実需(マイホーム)として住む人が見込める場合、空室にしてからの方が高く売却できる可能性が高くなります。

一方、賃貸業向けの物件として販売する場合、入居者がいる状況の方が好まれるケースもあります。

建物が人が住める程度には保全されているということになりますから。

アイコン名を入力

個人的には、空室の方が物件を隅々チェックできるので好きですね!

マイホームとしての需要が見込める場合は、あえて退去まで待ってから売却するのも有効な手段です。マイホームとして買う人の方が、より高く買ってくれるからです。

空室で売却した時の売値・客付したままでの売値を周辺相場から予測してみるのがいいでしょう。

とはいえ、タイミングよく空室になるかどうかは借主さん次第なので、基本は入居中に売るスタンスで良いですよ。

朽ちるまで保有も選択肢に入るが…

一部界隈では、「出口を考えずに永久に貸せばいい!」と考える人がいるようです。

確かに選択肢としてはあり得るのですが、私はおすすめしません。

  • 長期保有時の修繕費が読めないので、利益の計算がしにくい→経営判断が鈍る
  • 売却時に大きめの現金が戻ってくるのにそれを捨てるのか?
  • そもそも最後まで貸せるのか?

貸すためには朽ちないように修繕し続ける必要があります。その費用はバカになりません。

また現金一括購入が基本になるので、保有している間はそのお金をロックされている状態になります。

ロックを解除するには売却をするしかないのです。

可能性として考えられるのは、長期入居でずーっと住んでくれる場合。

たまにあるんですよね、なぜそんなに引っ越さないの?という人が入居しているケース(ありがたいんですけどね)

ずっと出て行かないという確証があるならばいいのですが、、、万が一出てしまったらやはり修繕費はかなりかかるでしょうね。

そのあたりは経営判断ということになるのでしょう。

売却時の仲介手数料も計算に入れよう!

2024年夏の法改正により、仲介手数料の下限が30万円になりました。

約6ヶ月分の家賃が、売却時には手数料で消えてしまう・・・意外と大きいんです。

諸費用として見逃されがちですが、もともと物件金額の低い戸建賃貸業においては見落とせない経費です。

もちろんこれも、売却時の経費として算入することができます。

まとめ:机上でもいい、数字で未来を明らかにしていこう!

今回は築古戸建の出口戦略についてお話ししました。

  • 5年後に売却をする想定で計算すること
  • 長期譲渡は税率が低いこと
  • それ以上は修繕リスクも上がり、経費がかなりかかる可能性があること
  • 仲介手数料も計算に含めること

「多分大丈夫だろう」という思考は経営的にはNG。予測ができなければ正しい決断から遠ざかります。

未来の収益を考えるには、出口をどうするかを決める必要があります。

一つの目安として譲渡所得にかかる税金が下がる5年後を紹介しました。

ぜひ購入前に「5年後に売却したらどうなりそうか?」を計算してください。

勘だけでは見えない隠れたリスクが出てくるかもしれません。